妊娠期の不調に効く!マタニティヨガのおすすめポーズ5選


妊娠中は、お腹がどんどん大きくなるにしたがって、身体のさまざまな部位に痛みや違和感を覚えることが。

また、女性ホルモンの変化から、不安になったりイライラしたり、精神的にも不安定になりがちです。

そんな心身の不調を緩和するのにおすすめなのが、マタニティヨガ。

ヨガインストラクターとして活躍する岡本かなみ先生に、その魅力や妊婦さんにおすすめのポーズを教えていただきました!



【よくある質問】岡本かなみ先生に聞いてみた

現在、一般の方向けのヨガレッスンだけでなく、講師養成講座(ヨガインストラクターを目指す人の養成)も受け持つ岡本かなみ先生。

お父様の影響で、小学生の頃からシンガポールやオーストラリアなどいろんな国で生活してきたというかなみ先生は、バイタリティ溢れるキュートな女性です。

先生自身も、心身の不調がきっかけでヨガを始め、10年近く経ってもその魅力にどっぷりとハマっているのだとか。

また、元々子どもが大好きだったこともあり、赤ちゃんと一緒に楽しめる「ベビーヨガ」を学び始め、その知識が深まるとともに「妊婦さんや産後のお母さん、赤ちゃんにとっても心地いいヨガを届けたい」と、マタニティヨガ・ベビトレヨガのレッスンを開始。

プレママや新米ママ、ベビーやキッズも楽しめる、新しい形のヨガを提案しています。



マタニティヨガとは、そもそもどんなヨガなのでしょうか?

岡本 妊婦さんの身体や心をリラックスさせ、胎内を赤ちゃんが居心地のよい空間にするために行うヨガを「マタニティヨガ」と呼んでいます。

身体的に特に負担がかかる腰や背中、出産時に重要な骨盤、股関節周りをほぐしたり、浅くなりがちな呼吸を深めるポーズを中心に行うことが多いですね。



マタニティヨガは妊娠がわかったら、すぐに始めた方がよいのですか?

岡本 妊娠初期は避け、安定期に入る5ヶ月目以降から始めてください。

私が特におすすめしたいのは、妊娠7~9ヶ月目。この時期は胎児の五感が鋭くなる時期で、ママと一緒に胎児も「動いている」感覚を味わえます。

ママがヨガを楽しめば、ハッピーホルモンであるセロトニンが分泌され、血液を通して赤ちゃんにも伝わるはずです。



今までヨガをしたことがない人でも、できるものでしょうか?

岡本 ヨガ経験がない人こそ、マタニティヨガでヨガデビューしてほしいですね。

出産の時は股関節を開く体勢になるので、そこが固いと陣痛+股関節の痛みでかなりつらい状態に…。

また、助産師さんに話を聞くと、ヨガやピラティスなどの運動をしている方は、陣痛の逃がし方やいきみ方が上手なんだそうです。



ヨガ経験者がマタニティヨガをするにあたって気をつけることはありますか?

岡本 お腹には赤ちゃんがいるので、お腹に力を入れすぎないことですね。

お腹が苦しいと感じたら無理にポーズをとらないこと。また、「妊娠して太ってしまったから、ヨガで痩せたい」という方もいるのですが、マタニティヨガはダイエットや筋トレが目的ではないんです。

あくまでも「赤ちゃんが居心地のよい空間を作ること」が一番の目的。そのためにママの身体をほぐし、リラックスできる動きや呼吸をしていきます。



腰痛に効く!「稲穂のポーズ」

  • ①右足を折り、左足を伸ばして座る。
  • ②右手を上げ、伸ばした足の方へ上半身と一緒に倒す。
  • ③視線を上げて、胸を開くように呼吸する。※反対側も同様に。

「股関節や脇腹を気持ちよく伸ばすポーズです。お腹が苦しい時は無理せず、上体を前に倒してもOK!」



背中をほぐす!「猫のポーズ&牛のポーズ」

  • ①手は肩幅、足は腰幅に開いて四つん這いになる。
  • ②息を吸い、吐きながら背中を上に引っ張るように丸める。
  • ③息を吸いながら背中を寄せて視線を上げる。※②③を繰り返す。

「背中の力を使ったり緩めたりを繰り返すことで、血液の流れが良くなり、筋肉もほぐれます。腰をそらすのがつらい時は、視線を前に向けるだけでも効果あり!」



肩こり解消に!「肩甲骨をほぐすポーズ」

  • ①正座で座り、背中の後ろで手を組み、肩甲骨を寄せるように引っ張る。
  • ②腕を前に伸ばして指を組み、頭を下げて肩甲骨を広げる。※①②を繰り返す。

「妊娠中に胸が張ってくると、それを支える肩にも負担が。肩甲骨を寄せる・広げるポーズを交互に行うと、肩周りもすっきりします!」



足のむくみがつらい時は「三日月のポーズ」

  • ①左ひざを曲げ、右足を後ろに引いて足の甲を寝かせる。
  • ②骨盤を下に沈めるようにして、股関節を伸ばす。※反対側も同様に。

「股関節を刺激すると血液やリンパの流れが良くなり、むくみの改善につながります。腰をそらしすぎないように注意し、負担がかかる場合はマットに手をつきましょう。バランスを崩さないように、ゆっくり行うのが◎」



リラックスしたい時は「胸・肋骨を開くポーズ」

  • ①右ひざを体の前側に、左ひざをお尻の方に曲げて座る。
  • ②頭の後ろで手を組んで胸を広げ、身体を左側に傾ける。

「お腹が大きくなると肺や胃が圧迫され、呼吸が浅くなりがち。胸や肋骨を大きく開くことで深い呼吸ができ、不安やイライラの解消にも効果的!」



最後に、かなみ先生からの妊婦さんへのメッセージ!

「お腹に赤ちゃんがいるというのは、女性しか体験できない、短く貴重な時間です。

私はマタニティヨガのことを『姫時間』と呼んでいるのですが、妊娠中は自分のことに目を向けて、多少ワガママなお姫様になっていいと思っています。

自分中心=赤ちゃん中心ということですから。お腹に赤ちゃんがいる状態でヨガができるのも、妊娠期のほんの数か月だけ。自身の不調を取り除くためだけでなく、是非「ベビーと一緒に楽しむ」ヨガとして、トライしてみてくださいね。」



【岡本かなみ】
【岡本かなみ】

世界中のママと赤ちゃんをハッピーにするための「ベビトレヨガ」を考案。マタニティヨガやキッズヨガのインストラクター養成に携わる傍ら、スタジオレッスン、プライベートレッスン、セミナーやワークショップなども開催。

レッスンの詳細はブログから。


ベビトレヨガとは