桃の節句の食べ物と意味|ひし餅・白酒・菱餅カラーの由来をやさしく解説
節分が終わるころ、春の足音が少しずつ近づいてきます。3月3日の「桃の節句」は、女の子の健やかな成長を願う大切な日。
雛人形を飾り、家族でお祝いの食卓を囲むこの行事には、古くから受け継がれてきた“食べ物の意味”があります。
桃の節句に欠かせない定番の食べ物――ひし餅・白酒・はまぐりなどはお祝いの席でよく見かけますが、どのような意味が込められているのでしょう。
この記事では、ひな祭りの行事食の意味を分かりやすく解説。季節の行事を味わいながら、お子さまへの思いを改めて感じてみましょう。
目次
ひし餅|春の色を重ねた「厄除け」と「成長」の願い
ひな祭りといえば、三色に重ねられた「ひし餅」。
ピンク・白・緑の彩りが美しく、まさに春らしいお菓子です。
実はこの三色には、ひとつひとつ意味があります。
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ピンク(赤):
魔除け、健康を願う -
白:
清浄、純粋な心を象徴 -
緑:
大地の生命力、長寿の願い
古くは草餅や白餅など、自然の力を取り入れた食文化の一つとして親しまれてきました。
寒い冬を越えて芽吹く春――そんな自然の循環を、色の重なりで表現しているとも言われます。
ひし形は「菱(ひし)」という植物の形から生まれたもので、繁殖力が強いことから“子孫繁栄”の象徴にもなっています。
ただの可愛いお菓子ではなく、健やかな成長を願う深い意味が込められているのです。
白酒|大人の女性に近づく“成長のしるし”
桃の節句の食卓に欠かせないのが「白酒(しろざけ)」。
ほんのり甘く、上品な香りが特徴です。
もともと白酒は、古代中国の「上巳(じょうし)の節句」で、邪気を払う目的で飲まれていた“桃花酒(とうかしゅ)”に由来します。
日本に伝わると、江戸時代には白く濁った甘いお酒が親しまれるようになりました。
「白い=清らか」「桃=魔除け」といった意味から、女の子の無病息災を願う象徴とされています。
なお、白酒にはアルコールが含まれるため、子どもには甘酒で代用するのが一般的。
離乳食後期であれば米麹を発酵させてできた甘酒をあげることができます。
「去年は離乳食の甘酒をほんの少し」「今年はお猪口でまねっこ」など、成長を感じながら少しずつお祝いの形を変えていくのも素敵です。
はまぐりのお吸い物|“ぴったり合う”良縁の象徴
桃の節句の献立といえば、ひし餅やちらし寿司と並んで登場するのが「はまぐりのお吸い物」。
なぜこの貝なのか、実はちゃんとした意味があります。
はまぐりの貝殻は、もともと対になっていた貝同士しかぴったり合わないという特徴があります。
このことから、「一人の人と末永く添い遂げられますように」という願いを込めて、縁起のよい食べ物とされてきました。
お吸い物の澄んだ出汁には、“清らかに成長してほしい”という想いも。
春らしく菜の花や三つ葉を添えると、華やかで香り豊かな一品に仕上がります。
ちらし寿司|春の彩りと願いを詰め込んで
ちらし寿司も桃の節句を代表する料理のひとつです。
色とりどりの具材が春の花畑のように美しく、ひな祭りの華やかさを演出します。
具材ひとつひとつにも意味があり、
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えび:
長寿(腰が曲がるまで元気に) -
れんこん:
先を見通せるように -
豆:
健康でまめに働けるように
忙しい方は、市販のすし酢や具材を使って“のせるだけちらし寿司”でもOKです。
私自身、初節句の日はバタバタで、具材を買って盛り付けるだけの簡単ちらし寿司にしたのですが、それでもテーブルに並べたら喜んでくれて、写真にもとてもきれいに写りました。
ひな祭りの楽しさは、見た目の華やかさと家族で囲む時間にあります。
菱餅カラーの意味を暮らしに取り入れる
ひし餅の三色(ピンク・白・緑)は、実は“桃の節句カラー”として、暮らしの中にも取り入れやすい配色です。
テーブルランナーや花飾り、フォト小物などに取り入れると、節句の雰囲気が一気に高まります。
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ピンク:
桃の花やチューリップ -
白:
リネン、キャンドル、陶器 -
緑:
観葉植物、クロス、グリーン系の花
食卓を彩るアイテムを飾るだけでなく、手形アートや名入れプレートなど、今年の思い出を形に残すアイテムを飾るのもおすすめです。
食卓を彩るおすすめアイテム
CURIA(キュリア)|フラワー手形刺繍バースボード
[product:998]
お子さまの手足形をフラワー刺繍で象ったバースボード。
麗らかな春の雰囲気を演出するのにぴったりなアイテムです。
LCM|メモリアル名入れギフト
[product:409]
美しいデルフト焼きの陶器に赤ちゃんの大切な記録を記した世界に1枚だけの贈り物。
お名前と生年月日を刻めば一生の思い出になるアイテムとして食卓を彩ります。
まとめ|食べ物に込められた「願い」を味わう節句
桃の節句の食べ物には、すべて意味があります。
ひし餅は健康と成長を、白酒は清らかさを、はまぐりは良縁を――。
どれも、子どもの幸せを願う古来の人々の想いが形になったもの。
現代では忙しさの中で“形だけのお祝い”になりがちですが、
食べ物の由来を少し知るだけで、節句の食卓はぐっと温かく感じられます。
春の光に包まれたテーブルで、家族の笑顔とともに味わうひととき。
その中にある一皿一皿が、きっとお子さまの記憶にやさしく残ることでしょう。
























